7日目(最終日) 宮之浦川〜七五岳東稜(湯川下降)
7日目(4月25日)
やることは終わって、後は下山するだけ。
なんやかんや朝から今日の天気も最高だ。
登山道を下ってもいいけど、せっかくだから沢を下りるのがコンセプトとしていい感じだよね。
ということで、一番早く終わりそうで、まっすぐ南に降りる湯川を選択した。
湯川は集落に近いあたりのゴルジュの記録はあったが、この上部の記録は見つからなかった。
正直「沢を下る」、という意味が欲しいだけなので、スカ沢かな〜くらいに思っていた。
少し行って水が出てくると、意外と普通の?沢になる。
大きな滝も出てきて、遡行しても悪くないんじゃない?とも思える雰囲気だ。
そんなに面倒くさくない巻きで進んでいけるので、意外と下りやすい。
順調に進むと沢幅も広くなってきて、宮之浦川に入渓したところぐらいの広さになってきた。うむ、巨岩もゴロゴロしておる。
大きくない島だし、そんな渓相変わらないよね。
随分前に登った大川も、こんな風に巨岩がゴロゴロする沢だった。
屋久島の沢は、どこも大味で似ているなと感じてしまう。それが黒味川を下降しなくてもいいかな、と思ってしまった理由でもある。もちろん難しいというのもあるが。
巨岩の間をウロウロ、小滝を下るのも一苦労。やはりペースが落ちる。疲れが溜まっているので、正直早く降りたいところなのに…
もうそろそろ平和になってくるかな、と思ったところで、奥に見える沢の側壁がたってきた。
え…ゴルジュ、あるんですか…?
奥に入ると、大きめの滝があった(10数mくらい?)。
懸垂できる木もない。
ここで大高巻きはめんどくさいな〜と見ていると、ホサカが右岸の側壁近くの2mちょっとの棚を登って突破した。
よかった〜と思い後に続く。
あれ…ちょっとホールド悪くない?むずかしいんだが。
ホサカが「これ、ここガバ」と言うところに、気合のデッド。
オォって、ちょっと声出た。
これまでの全行程で一番難しかったかもしれん。言いすぎかもしれないが。
棚に乗ったらそのまま進めて、木があったので懸垂下降することができた。
よもやゴルジュがあるなんて…でも、これで後はもう平和な沢だった。
意外と思ったペースで進まない。何度も休憩を取って進むと、ようやく終わりが見えてきた。
林道が沢近くに入る、堰堤の所に着いた。
まだまだ沢は続くけれど、ここから下降を続けたら車道に出るのは夜になってしまうかもしれない。
ここを終点とし、林道に合流した。いや、意外と長い沢だった。
林道は一般車は入ってこれないらしいが、立派なコンクリートだ。なんと歩きやすいことか。
後はここを1時間ちょっと下ればバス停だ。
名残惜し…くはないけど、楽しかったなぁ。同じような会話を何度もしてたと思うけど、楽しかった。
バス停に着いた。これで本当にこの山行も終了ですね。お疲れ様でした。
せっかくなのでバスが来るまでの間に海の近くまで行って、写真をパシャリ。sea to summit to seaもこれでヨシ。
バスが来た。
もう荷物背負って歩かなくていいんだな…
ホントに疲れたよ。
人がほとんど乗っていないバスに乗り、宮之浦港まで揺られていった。
ーーーーーーーーーーーー
バスの車内で、今日は素泊まりの宿を予約した。やっぱり疲れたしね。
そしてやっぱり下山後は食事!
何食べようかな〜
肉かな?やっぱり海近いし魚かな?
さっきバスで通ったお店気になるんだよね〜
なんてことをホサカに言うと
「俺はヤクデンで酒と惣菜買って食べるわ」と返ってきた。
はぁ〜〜これだから30手前で無職のやつは…
まぁこれが、30手前でアルバイトになる僕との「差」ってやつですな。
お前も来いよ、「高み」へ。
宿を出て、ヤクデンへ向かうホサカを見送り、僕は定食屋へと歩いていった。
〜終