1~2日目 宮之浦川〜七五岳東稜(宮之浦川1,2日目)
1日目(4月19日)
山行初日の朝。だけど今日はゆっくりだ。
山に持っていかない荷物を、 8時に開く観光センターに預けなければいけない。
東屋は車道に面しているのでそれなりに早く起き、 パッキングを終わらせる。観光センターの前で開くのを待とうと、 とりあえず向かった。
しかし8時になっても、一向に観光センターが開く様子がない。
よく見ると、開店が9時と書いてある。
…コロナの影響で遅くなったのか?
さらに出発が遅くなってしまった。
まぁ気を取り直して、林道までのタクシーを予約しようとする。
しかし、ダメ…!どこも団体客だったりで朝は出せないようだった。
コロナの影響はどうした。
何でもない平日の朝っすよ?予約しなくてもいけると思うじゃん?
結局、1時間ちょっとプラスになってしまうが、 歩くことになった。sea to summitで宮之浦川〜宮之浦岳といきますか。 もう海から歩いていない人は宮之浦川遡行したと認めません。
林道までの道から
荷物を預けて出発し、林道へ。順調に進んでいく。
しかしこの林道、マジで長い。それに荷物がクソ重い。 これから先何度も言うだろうけどホントに重い。 8日分の食糧は伊達じゃない。
ヒーヒー言いながら進み、入渓したのは14時前だった。 やっと沢登りが始まるのか…長かった…
水がキレイな沢だ。大きい岩がゴロゴロしていて、 昔来た屋久島の沢のイメージから変わっていない。
この大岩を縫うように、ウロウロと彷徨って進んでいくだな… 骨が折れそうだ。
疲れる山行になることを覚悟し、気合を入れた。
入渓点
気合を入れた1時間半後、とりあえず今日はこの辺で… と幕とすることにした。
なんか疲れちゃったしね。 それに先に進んだらいいところあるかわからないし…
広く平らな寝場所と豊富な薪、 幸せな一夜を過ごすことができそうだ。
ここでスクショした宮之浦川の記録と、 七五岳東稜の記録をしっかり読んだ。
このときはまだ宮之浦川核心の2日目が控えていたので、 あまり七五岳東稜のことを考えることなく、 気楽に過ごすことができた。
2日目(4月20日)
一日経っただけだと、荷物が全然軽くならない。
どれだけペースが遅くなるかわからないけど、まぁいけるところまでいきますか、ぐらいの空気で出発する。
少し進むとマンべー淵につく。
なるほどたしかに、側壁がたった凄いゴルジュだ。増水したら逃げ場がなさそう。
さらに進んで第3巨岩。右岸を登る。出だしの残置ハーケンにスリングで立ち込み、あとはキャメロット#1とかを使ったカムエイドを交えて登っていく。滑りそうで怖いけど、難しいわけではない。
残置無視?どうせ後でボルト使うだろうしね…別にいいです。
第3巨岩(たしか)
巨岩がめんどくさいが順調に進むと、竜王の滝があらわれる。
竜王の滝
「お、キレイだね」
「うん」
と感動を分かちあい、大休止。
記録を見ると、左から越えるようなので右岸を偵察する。
ちょっとわかりづらいけど、こっちかなぁ、というようなチムニーを登っていく。
ここの1ピッチ目が宮之浦川で一番難しかった。
とはいっても、カムがたくさん入るので支点も取れるしエイドもできる。
2ピッチ目は木登り交じりで上がるだけ。
登り切るといい休憩場所があった。
竜王の滝の先の滝もまとめて巻き、4,5時間かけて沢床に戻ってきて、漏斗の滝まで進んだ。
滝近くではいいテン場がないので、少し手前に戻って幕とした。
意外と遅れていないなぁ、とほっとする。明日には宮之浦岳に行けそうだ。
テン場にこだわる僕はもっとサイコーな場所がほしかったが、充分平で薪は豊富。今日もいい一夜になりそうだ。
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夜、宮之浦川が無事に終わりそうなことがわかると、今度は七五岳東稜が怖くなってきた。
ホントにいけるのか?初日の夜と今日で、もう何回も黒稜会の記録と飯山さんのブログを読んだ。
ブログによると、「近年、ラペルボルトが大量に打ちたされて〜」とあった。
2015年の近年って、いつだ?ラペルボルトって、なんだ。終了点ってことじゃないよね?大量って、どれぐらいのこと?1ピッチに2本とかじゃ大量じゃないよね?
全クライマーにオススメするルートって書いてあるけど、そんなプアプロのルートをオススメとかはしないよね?そうだよね!?
と、可能な限り情報を読み取ろうと必死だった。
正直5.8程度だとしても、黒稜会の記録通り、ボルトが2,30mに1本が280m、だったら登りたくない。怖すぎる。綺麗なスラブだったら支点取れないでしょう?
ずっとホサカにどうする?いく?俺はやめてぇなぁと言っていた。心の弱さが出てしまうなぁ。僕はこういうことを出来ないクライマーなんだなぁ、と寂しくもなった。
最終的には嫌気がさしたのか、「そうなったら俺が全部リードするよ」とホサカは言った。
マジ?助かるわ〜〜〜
クライマーのプライドだとかはどうでもよかった。まぁ登れそうなら頑張っちゃおうかなって感じで、ひとまずは安心して寝ることにした。