NZ アスパイアリングで沢登り 「出発まで」
始まりはなんだっただろうか。
お金ないから逆にニュージーに来てよと言った、これが発端か。
時は少し過ぎて、インドネシアの話はなくなり、 そのままその沢のメンバーだった?
O部、ホサカ、 そして自分の3人でニュージーランドの沢に行くことになった。
O部さんの発案で、沢登り〜雪稜〜 パックラフトを繋げる計画になった。
ルートとしては、南島西海岸から、Arawhata川を登って、Waipara川に入って、どこかのルートからアスパイアリング山に登って、どこからかMatukituki川まで降りて、そこからパックラフトでワナカ湖まで下るという計画だ。
なぜこんな計画になったのかは、たぶん、 O部さんがパックラフトが欲しかったからだ。
モ○ベルのチャレンジ支援プログラムに応募して、格安で、 あわよくばタダでパックラフトを手に入れようとしたのである。
他にはオーブさんが北極圏だか北欧だかのためにパックラフトと氷 河を経験しておきたかったのと、 単純に面白そうだったとかがあると思う。
あ、あと成瀬さんのカスケードクリークの報告で写っていたアスパイアリングがカッコよかったから、というのもあったみたい。
僕としてはこの計画に二つ返事で了承した。
単純に面白そうだったし、それなりにはラフティングの経験もある。
それにこんな長期になりそうな計画を自分で立てたことはなく、 まず自分にはない発想だった。
3月以降も何の予定もなかった
日帰り〜一泊程度の距離の沢にしか行けていなかった。
日帰りでもこの頃は22時頃まで明るいのでめちゃ行動できる
アーサーズパス周辺などは、山頂に氷河が広がる山も多く、冬の装備を持ってきていないので難しい。まぁ、持っていたとしても、単独では行っていなかったと思う…
アーサーズパスの懐には氷河が広がる
O部さんが突貫でチャレンジプログラム用の計画を作り、 申請。
しかしその結果は、モ〇ベルの知り合いを経由しての申請にもかかわらず、パックラフト・その他装備を3割引程度のものだった。
これじゃ高くて買えない(貧困にあえぐ平均年齢27歳)、 ということで支援プログラムをお願いするのは止めることになった 。
ときはまだ12月、パックラフトを買えなくなって、 果たしてこの計画は実行されるのか。本当に二人はニュージーランドに来てくれるのか…。
不安だった。
少し進んで、1月。
農園に住み、週6で働き、日曜はワイクリークでeat yourself fitter(25/12a)を4回トライして、 昼過ぎに岩に陽が当たりはじめたらクイーンズタウンの街に移動。 ピザを食べてからカジノ行く、という生活を1カ月は続けた。( 4,5日目ぐらいで登れた。)
やっと登れた〜
週一の休みでそのあたりに行くのは距離もあって難しく、 もっぱらフリークライマーとして日々を過ごしていた。
ボスにまだ少しだけなら農園に泊っていいと言われたので、 一泊だけ皆を泊めて、準備等を終わらせることにする。
パッキング
ここでやることの一つとして、近くの湖でボートのテストしなければいけない。
ボートは結局、Amazonで1万の二人乗り用ゴムボートを2艇買った。しかもパドル付き。安い!
チャチな割に重さが一個3.4kgもあるが、まぁそこは気合でカバーできるだろう。
安ゥい!勝ったな
無事、浮くことはわかった。これはなんとかなる。
しかし今回は軽量化のためにシングルパドルにした。
これが…わかってはいたのだけど…非常に使いにくい!
全然真っすぐ進まない。やはりダブルパドルじゃないと…
急遽ダブルパドルを探そうとしたが、 近場に売っているところはなく、 またおそらく売っていても値段の関係で買いたくないだろう、 とのことで諦めた。
まぁシングルパドルでも方向転換とかはできるし… なんとかなると信じる。
ここから車デポ予定のワナカまでは50km、 そこから西海岸のニールスビーチまでは190kmある。
タクシーでこの距離は可能なのかどうか怪しい。
そこで現地のワーホリ仲間のイタリア人ルカ(オタク・ 好きなアニメはゴールデンボーイ)に送ってもらうことになった。
めっちゃありがたい。
ワナカでスーパーに寄り、湖の駐車場に車をデポ。
ルカの車で西海岸へ向かう。
西海岸が近づいてくると大雨が降ってきた。
先行きが不安になる…
遡行予定の川の橋を渡る。
案の定、 そこから見える川は濁流となっていた。
それにめっちゃ太い。
海岸に着き、送ってくれたルカに別れを告げる。
まだ雨が降っているので、別れが簡素になってしまった。
4ヵ月ぐらい一緒にいたので、これはちょっと寂しかった…
さらば、ルカ(翌年日本で会った)
とりあえず落ち着く、ということも雨で難しいので、とりあえず海岸から川を遡れるのか偵察する。
これは住民の敷地内なのか…?と怪しいところをかき分けて川に出てみたが、流石に大水量だった。
川沿いの藪を進むことはできるだろうが、家がたくさんあるし、元の道に戻れば車道がある。流石にナンセンスなので、とりあえず明日のスタートは車道を歩くことに決めた。
川の脇の森。なぜかもう汚い。
ということで今日の宿はニールスビーチに決まり。
しかしここ、ビーチといってもただの砂浜だ…
民家はあるが、どういう理由を言えばいいだろう…野宿禁止だし…
結局考えたがいい答えは出ず、 もうとりあえずインターホン鳴らして正直に水くださいと頼んだ。
ここは流石に皆いい人、 快くプラティパスに水を入れさせてくれた。
いつのまにか雨も上がって、 快適な夜だ。
寒いし焚き火でもするか…と無限にある流木で火を熾し、静かな夜は更けていった。
明日は、長い山旅の出発だ。